だから、会社としてのメリットがなかったとしても、本人の人生に配慮すれば、短所を改善する方法を取らざるをえないのである。割り切って、完全な分業体制にしたほうがいいと、人から言われることもある。しかし、私はこうした考えから、それをつくるつもりはないのだ。社員にとっても、それは結局、長い目で見るとみずからの首を絞めることになってしまうのである。
時間を切り売り、プロは成果で勝負する。朝、会社に来てタイムカードを押す。 この行為をいったいどれほど多くの人が行っているのだろうか。おそらくすべてのビジネスマンの以上が、毎日何の疑間もなく、これを繰り返しているにちがいない。そもそも、企業が従業員にタイムカードを押させるのは何のためか。
それは時間で人を管理するためである。そして、その根底には「時給」という固定概念がある。つまり何時間働いたかによってその人の収入が決定しているということであり、O%企業側も働く側も何の違和感もなくこのシステムを受け入れてきた。
人を管理
しかし、このシステムも終わりを迎えるときが近づいてきたように私は感じる。企業が従業員に対して「時間」ではなく「成果」を求め始めたからだ。世の中が不景気になったから、企業もよりシビアに従業員を評価するようになった。たしかにそれは事実である。しかし私は、そもそも時間で人を管理するというシステムそのものに問題があったのではないかと思う。
朝九時から夕方五時まで会社にいれば、何も成果があがらなくても給料が支払われる。そのようなシステムが働く側の自立心をなえさせ、会社に依存する人間を大量に生み出してきたのだ。
そう考えると、企業の評価は「シビア」になったのではなく「正常」に戻ったのだと思うこれからは、一人ひとりが自立したプロとして行動し、出した成果に対して正当な報酬を受け取るという当たり前の時代がやってくる。
