それは決して悲観的な状況ではない。むしろ、「自由」と「プライド」を取り戻すチャンスだと私は考えている。プロとして生きていくためには、求められた以上の「成果」を出さなくてはいけない。それは決して生やさしいものではない。生きていくためにはみずからの技術を日々向上させていかなくてはならない。過去の実績や肩書きなど何の役にも立たなくなるからだ。
しかし逆に、「成果を出す」という約束さえ果たしていれば、あとはすべて自由ということである。週に三日しか働かなくてもいいし、スーツを着ないで出社してもいい。二日酔いなら昼から出社してもいいし、一ヵ月くらい海外に旅行に行くのも自由だ。その代わりに顧客に対しては期待を超える成果を出し続けなくてはいけない。
それがプロフェッショナルでああかしる唯一の証だからだ。プロとして生きていくことは辛いことだろうか。たしかに他人に管理された人生のほうが楽かもしれない。しかしその代わりに、毎日締めたくもないネクタイを締めて、ぎゅうぎゅうづめの満員電車に揺られて、十二時から一時という決められた時間にあわただしい昼食をとらなくてはならない。
プロの厳しさ
そんな九時から五時までの時間を切り売りするような人生に比べれば、プロとして厳しく、そして自由に生きていくほうが、はるかに充実した人生だと私は思うのだ。誰の責任かわからないが、この国には、まともな自立心をもった人間が驚くほどに少なくない。
それともこの国の教育に元凶があるのだろうか。いや、どう考えてもその責任は「みずから自身」にある。そう考えなければ自立心など芽生えようもないではないか。私は人材を採用するときに、何よりもこの「自立心」を重要視する。
そして、ビジネスマンとしての自立心を養うために、新入社員には必ず入社時にある同じ話をすることにしている。それは「報酬は誰にもらうのか」という話だ。「報酬は会社からもらうもの片そう考えているビジネスマンが、本サイトにはなんと多いことか。
